なるほど！深層心理で豆知識 ／ vol.36

「相手の心が読めたら、もっと上手く付き合えるのに……」と思うことはありませんか？　実は、何気ないしぐさや、思わず口から出た言葉には、人のホンネが表れているのです。今回は、あなた主導で話をしているときに、相手が見せるしぐさや態度から本音をさぐります。相手をつぶさに観察して、人付き合いの達人になりましょう！

　人付き合いが上手な人は、相手の心の動きにとても敏感です。相手の気持ちを察知して、興味を引くような会話を進めていくことができるからです。さらに、それ以上に大事なのは話の切り上げ方。それを教えてくれるのも、やはり相手なのです。

　例えば、相手が、関心を持って自分の話を聞いてくれているか否かは、態度を見れば一目瞭然ですよね。あなたの話が面白い、興味深いと思えば、身を乗り出すようにして聞きますし、目も輝いてきて、好奇心いっぱいというサインを送るはずです。そのタイミングで相手に質問をすれば、有意義な情報を引き出すことも可能でしょう。

　一方、相手が自分の話に同調し、にこやかな表情で聞いてくれているのに、なぜか会話が弾まなかったり、手応えを感じないことがあるかもしれません。そう感じたときは、机の下にある、相手の脚の様子をさりげなく観察してみてください。例えば、小刻みに脚が揺れていたり、手で膝をコツコツ叩くようなしぐさが見られたら、話に退屈している証拠です。そのときの相手のつま先は、あなたのほうではなく、出口に向いていませんか？

　相手にそのような様子が見られても、さらに話を続けた場合、相手は、目線を反らせたり、周りの様子をうかがうような態度をとるなど、そわそわし始めるでしょう。人によっては、姿勢を正したり、目の前にあるお茶を飲み干す人もいるかもしれません。これは明らかに、「話は十分にわかりました」という意識的、無意識的なサインです。

　このように、相手の集中力が途切れたと感じたら、「そろそろ行きましょうか」と促してみてはいかがでしょうか。そう言って話を切り上げれば非常にスマートですし、相手も「気持ちをわかってくれた」と安堵するはずです。

　ことに、話す相手がビジネス上の付き合いや、さほど親しくない相手の場合、ストレートに言葉に出せないので、こうしたボディランゲージによる意思伝達に敏感になることが大事なのです。力関係において、相手が自分より下の場合や、部下の場合も同様です。話の切り上げ方が上手だと、“自分をしっかり見てくれている頼れる人物”として、尊敬を集めます。そういう人は実際に、仕事の段取りも仕切り方も上手なはずです。

　仕事面でもプライベートでも、このように相手の心に寄り添えば、良好な関係を築いていけるでしょう。そうして信頼を強固なものにしていってくださいね。

（文／花梨）