なるほど！深層心理で豆知識 ／ vol.35

「相手の心が読めたら、もっと上手く付き合えるのに……」と思うことはありませんか？　実は、何気ないしぐさや、思わず口から出た言葉には、人のホンネが表れているのです。今回は、「眉の表情から見える相手の本音」です。気になる相手の様子をチェックして、心の内をのぞいてみましょう！

　悩みや心配事があったり、他人の言動を不快に思ったとき、よく、「眉をひそめる」「眉を曇らす」という言葉を使いますよね。人の顔の中でも、眉は心の内が明確に現れる場所と言われています。眉毛の太さや形から受ける印象ばかりでなく、眉の動きによっても、その人の感情を読み取ることができるのです。

　眉をよく動かしながら話す人は、明るくひょうきんなタイプですが、その実、とても寂しがり屋で気が小さい面も持っています。人前で、表情豊かに話すことによって、無意識にコンプレックスを隠そうとしているのかもしれません。

　一方で、会話中、片眉だけがひょいと上がる人は、どんな感情を持っているのでしょうか。眉が上がること自体は、驚きなど、感情の変化である場合が多いと言いますが、“片方だけ”の場合は、疑いの気持ちの表れです。また、片眉を上げることが癖になっている人や、意識的にそうしている場合は、自尊心が高い人も言えるでしょう。

　特に不快感を感じているわけではないのに、眉をひそめ、眉間にしわを寄せて話を聞いている人がいますが、それが癖になっている人は真面目なタイプです。真剣に人の話を聞こうとするあまり、そうした表情になってしまうのでしょう。

　会話の内容に不快を感じているか否かの見極めは、一瞬の表情を見逃さないことです。瞬間的に眉をひそめるような表情を見せた場合は、不快感の表れ。最初から最後まで、ほぼ、その表情が変わらない場合は、真摯（しんし）な気持ちの表れとも思って良さそうです。

　ところで、眉毛にさわりながら会話をする人を見たことはありませんか？　そういう人は、猜疑心が強く、本音で語ることを避けるタイプです。または、自分の嘘がバレないよう隠そうとしているのかもしれません。

　1947年制作のアメリカ映画『三十四丁目の奇跡』にも、その象徴的なシーンが出てきます。デパート専属の医師・ソーヤーが、偽りの診察結果を報告する際、とても落ち着きのない様子で、しきりに自分の眉をさわっていました。一方、日本でも、奈良時代から江戸時代に「引眉（ひきまゆ）」と言いい、眉を剃ったり抜たりしたあと、額に眉を描く化粧法がありました。その目的は、眉の動きによって感情を読み取られることを避けるためでした。人前で感情を表さないことが美徳とされた時代でもあったのです。

　そう考えると、現代に生きる私たちは、ある意味自由ですし、“無防備”とも言えるかもしれません。だからこそ、相手のちょっとした表情の変化に敏感になって、コミュニケーションにつげていけるといいですね。

（文／花梨）