なるほど！深層心理で豆知識 ／ vol.26

「相手の心が読めたら、もっと上手く付き合えるのに……」と思うことはありませんか？　実は、何気ない行動やしぐさ、思わず口から出た言葉には、人のホンネが表れているのです。今回は、思うように結果が出せない部下を、その気にさせる心理テクを伝授！　相手の気持ちに寄り添いながら、好ましい関係を築いていきましょう！

　新年を迎え、「今年こそは」と、新たな目標を掲げて頑張っている方は多いことでしょう。けれども、３ヶ月経ち、半年が過ぎ、年末を迎える頃には、「今年も振るわない一年だった」と、肩を落とす人も少なくないのでは？

　もしも、あなたが社内のチームリーダーで、目標が達成できない部下がいるとしたら、どうしますか？　檄（げき）を飛ばしてやる気にさせますか？

　頑張っているのに結果が出せない場合は、掲げる目標が本人にとって高すぎるためです。それは、例えば、学業成績が平均50点の人が、次の試験でオール100点取ることを目標にしたり、1ヶ月で10kgの減量を目指すのと似ています。ハードルが高すぎると、しまいに越えようという意欲さえなくしてしまうものです。

　そこで、リーダーのあなたは、部下が目標を達成しやすいように、本人の実力より少し高めの目標を設定させると良いのです。本人に頑張る姿勢が認められるということは、真面目な努力家ということですから、正しい方法で努力を重ねていけば、きっと目標に到達するでしょう。その段階で、さらに少し高い目標を設定すると、当初は無理だと思っていたハードルも、越えられる可能性が出てくるはずです。

　反対に、本人にクリアできるはずの目標が、なかなか達成できない場合は、不安や悩み、あるいは不満を抱えているのかもしれません。そんなときは、どんなことが障害になっているのか、部下の話をじっくり聞いてみましょう。

　話を聞く上で大事なのは、相手の話をうなずきながら聞き、意見しないことです。そして、自分が若いときに抱いていた気持ちや失敗談を話すなど、相手に同調すると、「リーダーでもそんな時代があったんだ」と、安心して心の内を見せるようになるはずです。さらに、相手が心を開いたタイミングで、自分の克服体験を語れば、部下にとって大きなヒントになり、目指す方向が見えてくるでしょう。うまくいけば、くすぶっていた能力が開花する可能性も。そうなれば、チームにとって頼もしい戦力になりますよね。

　また、チーム全員が、個々に設定した目標を発表するのも良い方法です。チームの皆がそれぞれ証人になりますから、意地を見せようという前向きな気持ちになるでしょう。このとき、リーダーのあなたも目標を掲げれば、チーム全体の士気が上がるはずです。

　以上は、職場内でのやりとりですが、リーダーを親、部下を子供、仕事を勉強に置き換えてみると、家庭でも応用できるのではないでしょうか。いずれにしても、個々に合った目標を立てて前へ進み、実り多い一年にしたいものですね。

（文／花梨）