なるほど！深層心理で豆知識 ／ vol.19

「相手の心が読めたら、もっと上手く付き合えるのに……」と思うことはありませんか？　実は、何気ないしぐさや、思わず口から出た言葉には、人のホンネが表れているのです。今回は攻撃的な言葉を使う人や、その人の“言葉グセ”から、相手の深層に分け入ります。気になる相手の言動をチェックして、良好な人間関係を築いていきましょう！

　人が人とコミュケーションをとろうとするなら、言葉のキャッチボールが大事ですよね。相手の言葉に「そうだよね」とうなずいたり、考え方が違っていても、相手の自尊心を傷つけないような受け答えをする場合が多いでしょう。

　ところが、中には、人の言うことを全面否定する人がいます。その人とは反対の意見を言おうものなら、「その考え方は間違っている」と速攻で却下したり、「私の考えに納得できないの!?」「言っていることがわからないの？」と、攻撃的かつ失礼な物言いをする人っていますよね。

　このように、相手に対して攻撃的な態度をとる人の心の奥には、“恐怖心”が潜んでいる場合が多いのです。自分に自信がないから、それを隠すために先制攻撃をする。仲間外れになりたくないから、相手に有無を言わさず支配しようとする。そうして自分を守っているのです。逆に、自分に自信があれば、「人の意見も聞いてみよう」という心の余裕が生まれますし、もっと寛容に人に接することができるのではないでしょうか。

　もしも、あなたの上司が攻撃的な態度をとるタイプなら、客観的に相手を観察してみてください。その上司は大勢の前で一方的に部下を叱ったり、大声で、「この前、言ったはずだ」「しょうがないな」といった言葉をよく使っていませんか？ 

　頻繁であれば、部下を無能呼ばわりすると同時に、自分の必要性を周囲にアピールしているのです。その裏には、「部下に先を越されたくない」という“恐れ”や“焦り”が隠されているのかもしれません。ですから、このタイプの上司には、「未熟な自分はこの人には敵わない」と、萎縮する必要はないし、逆に相手を憎む必要もないでしょう。それでも理不尽さに怒りを感じてしまう場合はどうすればいいのでしょうか？

　相手の急所を突いて仕返しをする？　もしくは、「あなたは信頼できません」という態度を取り続けて周囲の賛同を得る？　どちらもNGです。相手に恥をかかせてやろうとか、反発するような態度をとっては、相手の思うツボ。「反抗心の強い社員」として上層部に報告され、あなたにとってマイナスになるだけで、何の得にもなりません。

　実は、答えはいたってシンプル。ごく普通に接すればいいのです。腑に落ちないことは質問すればいいし、意見があるなら言っても構いません。そこで上司に“小言”を言われても、受け流せばいいのです。そうして淡々と、着実に仕事をこなしたほうが、「あの上司を相手に、なかなかやるな」と、周囲から認められるでしょう。この姿勢は、会社のみならず、様々な人間関係においても使えるはず。心当たりのある方は試してみてはいかがでしょうか。

（文／花梨）