健康な成人の場合の一日の食塩摂取量をご存知ですか?
【男性】:9g未満 【女性】:7.5g未満
(厚生労働省推奨食塩摂取量2010年版)
成人病予防のため減塩が推奨されています。ただし、健康な人は適度な塩分摂取、病気治療中の人は適切な塩分摂取が必要になります。塩分を含む食材や調味料は多いですが、食材の選び方や調理方法の工夫などで、塩分をおさえる食事を楽しむことはできます。
例えば、味噌汁の具には、塩分を排出する働きのある「カリウム」を多く含んでいるワカメやいも類、野菜などおすすめです。また、果物でもバナナ、キウイ、りんごなどにも多く含まれていますので食事のメニューにプラスしてみてはいかがでしょうか?
塩は、塩化ナトリウムと呼ばれ、必須ミネラルのひとつで人間の体液中に存在します。しかし、スポーツや仕事、気温上昇などで大量に汗をかくと、塩分も一緒に排出されるため、体内でナトリウムが不足します。すると、体は、そのナトリウム量(約0.85%の塩分濃度)にあわせて水分量を調整するため、脱水症状を起こします。体内の水分量が減ると、血液、リンパ液、胃液などの量も少なくなるため、食欲がなくなり、脱力感、めまい、吐き気など、熱中症の症状が現れます。これらのことから、水分と一緒に塩分を摂るようにとよく言われております。
また、塩は時間の経過による品質の変化が極めて少ない食品のため、消味期限、消費期限を設定していないそうです。自然の恵みはすごいですね。
では、この人間にとっても必要不可欠な塩の歴史について振り返ってみましょう。
岩塩がなかった日本では、海から塩を作ったと言われています。古事記に、「シオツチノオキナ(塩土の翁)」という人物がいて、製塩を行ったとされており、これが日本における製塩の最も古い記録となっています。古代の人は海水を直接煮詰める方法を取っていたと考えられていますが、「万葉集」には、「藻塩焼く」と記録されており、海藻を天日乾燥させ、何度も海水をかけることにより塩の結晶を作っていたようです。
そして、シオツチノオキナが実際に塩焼きに使ったという「神竃」は、宮城県の「鹽竈神社(しおがまじんじゃ」(塩釜市)に祀られています。鹽竈神社は、毎年藻塩を作る一連の工程を3日間かけて再現する「藻塩焼神事」や、天然記念物に指定されている鹽竈桜、また、パワースポットとしても有名なので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?また、お塩について詳しく知りたい方は、東京都「たばこと塩の博物館」もおすすめです。
●参考:たばこと塩の博物館 塩事業センター